今回のテーマは、「履歴書の空白」。
昨今では、自分さがしや学びなおし、心身の不調などのさまざまな理由から、働かない期間を持つ人は少なくありません。しかし、そうした選択肢に興味を持ちながらも、履歴書に空白ができることに不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
そんな「履歴書の空白」に対する不安を抱えながら、あえて一歩踏み出したのが、ライター/コンテンツプランナーとして活動するりょかちさんです。
現在は若者やインターネット文化に関するエッセイの執筆などをおこなっているりょかちさん。2021年6月に独立した際、「履歴書の空白」をつくることへの葛藤を感じ、それを乗り越えた経験があるそう。そしてその経験は、りょかちさんにとって生きることが楽になるような、大きな変化をもたらしたのだといいます。
今回はりょかちさんに、「履歴書の空白」のこと、そして「勝ち組のエレベーターをおりてみる」生き方について、くわしく聞いてみることにしました。
世代間の断絶をなくしたい
-りょかちさんは「なぜ私たちは『履歴書の空白』を恐れるのか。転職・学び直しブーム全盛の今こそ考える」という記事で、ご自身が「履歴書の空白」の時期に踏み出す際の葛藤のことを書かれていましたね。
りょかち:はい。新卒で入った会社を辞めて、「次の職場を決めるまでの小休止」をとりたかったんですけど、なかなか踏み出せなくて。その経験のことを書いた記事ですね。
-僕自身、大学卒業後にニートになって、「履歴書の空白」があるため、あの記事にとても共感しました。今日はりょかちさん自身の経験や、そこから気づいたことを聞かせていただきたいんです。
そもそもどうして、「履歴書の空白」について発信しようと?
りょかち:よく、「今の若者は…」って言われるじゃないですか。たとえば、わたしは2016年くらいに「自撮り女子」としてバズったんですけど、当時は「自分を撮ってSNSに載せるなんて、今の若者はよくわからん。ナルシストだ!」とか言われてたんです(笑)。
-確かに、そういう空気はありましたよね。
りょかち:それに、バズったことでフォロワーが増えたあと、「変な若者のエピソードを教えてください」みたいな依頼がくることがあって。それって、若者を社会から断絶させようとしてる感じがして、いやだったんですよ。
わたしはそういう断絶をなくしたくて。若者の気持ちを、ちゃんと他の世代の人にも届けたいって気持ちが、ずっと核にあるんです。だから今でも、若者文化のことを伝え続けてるんですよね。
-履歴書の空白についての発信も、世代間の断絶をなくしたいっていう気持ちから?
りょかち:それはありますね。今って、留学や大学院進学、仕事探しなどのために、あえて一定期間仕事から離れる選択をしたい人は増えてると思うんです。
でも、世の中の仕組みがそういった人たちを受け入れられるようになってない。一般的な選考フローだと、副業していても、その経験を履歴書に書いていいものか迷うし、履歴書の空白はネガティブにみられることがあったりもします。
-とてもわかります。
りょかち:でも、ちゃんと伝えたら、「僕も確かに若い頃、会社辞めたかったな」って、他の世代の人たちも共感してくれるんじゃないかなって思うんですよね。
「おもしろいやつでいる」という生存戦略
-りょかちさんの「履歴書の空白」までの歩みとして、小さい頃のことから伺っていきたいんですが、出身はどちらなんですか?
りょかち:京都の宇治市です。お茶で有名なところ。大学2年生ぐらいのときまで住んでましたね。
-小さい頃はどんな子どもでしたか?
りょかち:えー…変わってる子どもだったのかなぁ。
うち、お母さんが接客業をしてたこともあって、「人がなにを求めてるのか、考えて動きなさい」ってきびしく言われてました。たとえば、食事の席では誰かのコップが空いたら飲み物をつがなきゃいけない、とか。やれないと、けっこう怒られてました(笑)。
あとわたし、人生で一番体重が重かったのが小学生の頃なんですよ。
-聞いていいのかわからないですけど、どのくらいだったんですか…?
りょかち:64キロくらいです。小学生の頃って、太ってるといじめられやすいじゃないですか。だから、いじめられないための生存戦略として、「おもしろいやつでいること」をめちゃくちゃ頑張ってたんですね。
-「おもしろいやつでいる」っていう生存戦略。
りょかち:はい。毎日テレビでバラエティを観て、おもしろいことを言えるように真似したり。お母さんが買ってきた雑誌を読んで、今流行ってるものを知って、それをみんなに教えたり。勉強も、あまり勉強が得意でないヤンキーっぽい子に教えてあげるためにやってました。今思えば「こすい」子どもですよね(笑)。そうやって、生き残るために頑張ってたんです。
環境に適応できず、憂うつな日々が続いた
りょかち:でも、高校に入ったら「おもしろいやつでいる」って生存戦略が通用しなくなっちゃって。
-どんな変化があったんですか?
りょかち:私立の進学校に入ったら、そこがめちゃくちゃ勉強する環境だったんですよ。中学校の頃は、授業中に紙飛行機がビュンビュン飛んでいる環境にいたから、「すごい、教室で紙飛行機が飛んでない!全員授業聞いてる!」ってびっくりしたんです(笑)。
-紙飛行機が飛んでるのもすごいですけど(笑)。それまでとはまったくちがう世界に飛び込んでしまったと。
りょかち:それまでとは真逆の環境でした。1年生から「京大に行くためには…」みたいな話をされるし、朝8時から毎日テストで、夜の19時までずっと授業。学校も先生も、生徒のより良い進路のために一生懸命指導してくれたんでしょうけど、スケジュール的にはすごくスパルタでハードでした。
今でも高校の同級生と会うと、「あのときほど大変な毎日なんて、人生でないよね」って、みんなで話すんですけど(笑)。
-そしたら、「おもしろいやつでいる」っていうことは…
りょかち:できなかったですね。テレビを観たり雑誌を読んだりする時間なんてないし。めちゃくちゃ勉強したので、模試では京都で2番の成績をとったこともあったんですど。そのうち、プレッシャーで潰れちゃったんです。もう、毎日憂うつで、泣きながら勉強してました。
-あぁ…
りょかち:正直、その時期の記憶ってあんまりないんです(笑)。制服で遊びに行った記憶もないし…。適応障害(※)と診断されたこともありました。
そう、わたし、小さい頃から「その環境に適応しなきゃ」っていう気持ちがすごく強かったんです。「みんなが求めてるものに応えなきゃ」って気持ちがずっと強くて。
今でも、お仕事を相談されたときに、自分が何を求められてるのかがわからないと、結構不安になっちゃうんです。
-小中学生のときも、ある意味「おもしろいやつ」でいることで、その環境に適応しようとしてたんでしょうか。
りょかち:そうだと思います。その生存戦略はうまくいっていたんですけど、高校では通用しなくなって。「勉強ができるやつになること」が生存戦略になったんですよね。
-ある意味、勉強ができるようになって、その戦略はうまくいっていたのかな、とも思いますが、そうじゃなかったと。
りょかち:はい。先生に言われた通りにめっちゃ勉強を頑張って、成績も上がって。だけど一方で、勉強を頑張りすぎて、家族や友だちと過ごす時間をうまく作れなかったり、コミュニケーションが取りづらくなったりしたんです。なんかそのうち、みんなが求めてるものがわからなくなっちゃって。
-求められてるはずのことをやったのに、受け入れられてないような。
りょかち:それで不安になってしまって。憂うつな状態は大学に入るまで続きましたね。
※適応障害
新しい環境に馴染めないことが引き金となって、心身に様々な症状があらわれ、社会生活に支障をきたす状態。
有名IT企業の社員&副業コラムニストとしてのスタート
-大学では「適応しなきゃ」ということもなく?
りょかち:大学は、結構だらだらとすごしてましたね(笑)。神戸の大学に行ったんですけど、人生で初めての「自分さがし」の時期だった気がします。
Twitterで、東京の大学で学生団体を立ち上げたりしてるような人の活躍が見えるじゃないですか。それがキラキラして見えて、「東京いいなぁ」って、焦るような気持ちもあって。でも、わたしはなにものにもなれず、4年間すごしてました。
-就活はどうしたんでしょう?
りょかち:大学4年のときは、出版社に入りたかったんですけど、全部落ちてしまったんですよね。だから、1年就活浪人することにして、東京に出てきて、ベンチャーでインターンをしてました。
そしたらそのうち、「わたし別に、本をつくりたいわけじゃないや」って気づいちゃったんです。小さい頃から、人を観察して、その情報をもとにその人の役に立つような情報を届けて、その反応をみながら人気者になってく…っていうことが好きだったなぁって。それって、本じゃなくてWebサービスでもいいじゃないですか。
-むしろ本よりも反応がはやく、ダイレクトに届きそうな。
りょかち:そうなんです。そう思ってIT系の会社を受けたら、相性が良かったらしく、何社か受かったんですよ。そのなかで一番、老若男女に情報を届けることができそうなLINE株式会社から内定をもらったので、入ることにしました。
-副業はどういったきっかけで?
りょかち:まだ内定者だったころ、自撮り写真をSNSにあげてみてたんです。わたし実は、写真に撮られることが苦手なんですけど、「自撮りなら撮れる!」って気づいたんですね。それで投稿してたら、「自撮り女子」としてバズって。会社からしたら「急に有名になりだしたぞ!?」みたいな、厄介な存在だったかもしれないですけど(笑)。
それでフォロワーさんも増えて、入社1年目の6月から副業で連載を持たせてせていただけるようになりました。それから会社を辞めるまでの6年間、本業ではプロダクトマネージャーやマーケティングの仕事、副業では編集や執筆の仕事をしてました。
履歴書に空白をつくることへの不安
-ここから「履歴書の空白」の話にさしかかってくると思うんですが、会社を辞めようと思ったのは、なにかきっかけが?
りょかち: 入社して5年目くらいから、本業でも副業でも、求められる仕事の質と量が変わってきたんですね。どちらの仕事も好きだったので両方頑張りたいけど、本業を一生懸命やってると副業に時間がとれなくなるし、副業をやりすぎると本業ができなくなる…っていうジレンマがあって。
一方で同期は新卒から所属している部署でマネージャーになったり、就職する前から挑戦したかった事業で起業したりしてて。それに比べてわたしは、このままだと本業も副業も中途半端になってしまうような気がして、やることを取捨選択していかなきゃいけないな、と思ったんです。
どちらかをサボることもできたんですけど、表ではキラキラして見せて、実はどちらかの仕事をおろそかにしてるってダサいなと思っていて(笑)。それで、会社を辞めて、時間に余裕を持って次のキャリアを考えてみたいな、と思うようになったんです。
-いきなり転職したり独立するのではなくて、小休止したいと。
りょかち:はい。小休止して、考える時間が欲しいなって。当時は本当に忙しくて、ゆっくり考えられないような状態だったので。あと、ちょっと疲れてもいたんだと思います。6年間、平日日中は本業、平日の夜と休日は副業で結構働いてて、いっぱいいっぱいだったんですよね。
-なるほど。一方で、以前ツイートされていたように、履歴書に空白ができてしまうことへの不安もあったんですね。
りょかち:そうなんです。わたしがすごく仲が良い、とても優秀な友達がいるんですね。大手広告代理店を卒業した後、自費で海外留学をしていて、ある意味「履歴書の空白」ができたんですけど、優秀なその人ですら、その後就職先がなかなか決まっていなかったんですよ。
あと、わたしが気になっていた会社の採用担当者に、匿名SNSで「履歴書の空白って、採用の際に影響しますか?」って質問をしたら、「それなりの理由を説明できなければ、やはり不審に思いますね」って返事が来て。
「やっぱり、履歴書の空白があると転職に不利になるのかなぁ」って、不安になっちゃって。会社を辞められずに、半年ぐらい悩んでました。そのときは、なんだか行き止まり感がありましたね。
「ひとつの会社にいつづける」というリスク
-そんな不安と、どうやって折り合いをつけていったんですか?
りょかち:尊敬している友人に、「履歴書の空白」をつくろうか迷っているっていうことを相談したら、「なんとかなるよ」って言ってくれたんですよね。きっと彼女自身が、「なんとかなる」って信じてるんだと思うんですけど。「納得できないままの毎日を続けるのもリスクじゃない?」って言ってくれて。「たしかに!」と思ったんです。
それで、「最悪、バイトになってもいいか」って思って、29歳の誕生日までに辞めるって決めました。失敗するかもしれないけど、「失敗するなら1秒でも若いうちに失敗したほうがまだマシ。ケガするなら今のうちだ!」って、思えるようになりました。
とはいえ、まったく仕事がなくなる不安もあったので、半年分の生活費を貯金してから辞めましたけど。
-リスクヘッジはちゃんとしていたんですね。
りょかち:そうですね。でも正直、生活費はこんなにかけなくていいな、とも思ってました。当時、土日や夜に執筆をしていたので、仕事が忙しくて、ストレス解消のための出費がめちゃくちゃかかってたんですよ。「疲れたなぁ、もう土日は絶対マッサージ行こう!」とか「美味しいもの食べないと生きていけない!」みたいな感じで(笑)。
もう、マッチポンプというか。仕事で疲れて、その疲れを癒すために仕事をして、また疲れて…みたいな状況で。「わたし、なにやってんだろう」って。
-そもそもストレスがなければ、そこまで稼がなくてもいいですもんね。
りょかち:はい。それに、月何十万円の生活費を維持できる仕事しかできないとしたら、キャリアの選択肢が狭まりますしね。それならわたしは、質素でもいいからそもそもストレスがなくて、やりたい時にやりたいことができる働き方をしてみたいなぁと思ったんですよね。
「もう適応しなくてもいいや」とふっ切れたら、楽になった
-2021年6月に会社を辞めて、ある意味「履歴書の空白」に踏み出したわけですが、次のキャリアは見えてきましたか?
りょかち:それがむしろ逆で(笑)。「今後こう生きていこうって、わからなくてもいいや」って、思えるようになった気がします。「適応しなくていいや」っていう気持ちというか。
-小さいころから「適応しなきゃ」と思っていたけれど、それが変わったと。
りょかち:はい。わたし、会社を辞めて一か月ぐらいのとき、時間があったから、新宿から家まで1時間くらいかけて歩いて帰ってみたんです。前職のみんなはおそらく忙しく働いてる、平日の昼間に。
あれはたしか7月くらいだったかな。気候もすごく気持ち良くて。歩きながら、「あぁ、前職の環境とはかけ離れたところにいるなぁ」って思った瞬間に、「あ、これまで『勝ち組のエレベーター』に乗らなきゃと思ってたけど、もうどうでもいいや」って。なんか吹っ切れたんですよね。
-「勝ち組のエレベーター」っていうのは?
りょかち:わたし、もともとは「会社で偉くなるとか、リッチな暮らしをするのが、なんだかんだ勝ち組じゃん!」ってどこかで思ってたんです。たとえるなら、「勝ち組のエレベーター」があって、その何階にいるかが大事だって。
だから、人と比較しちゃってたんですね。「あの人は結婚してるし、おもしろい仕事してるから10階にいる。わたしはまだ2階だな。もっと上に行かなきゃ!」みたいな。
でも、会社を辞めて、そのエレベーターから降りたら、「たくさん稼がなきゃとか、偉くならなきゃとか、もういいかな」って思っちゃったんですよ。
-それは別にネガティブなことじゃなくて?
りょかち:そうですね。そう思えて、すごく楽になりました。今思えば、昔は自分の幸せを他人と比べてばかりいました。「あの人は私よりお金持ちだ」「あの人は私より注目されている」といったふうに。
みんな同じエレベーターに乗っていて、今自分がいる階を比べているように感じていたけど、全く違う世界に飛び込んでみたら、そのエレベーターに乗らない選択肢もあることに気がついたんです。
-だから、エレベータにもう乗らなくていいやと。
りょかち:はい。今はもう、自分と他人を比べたりしないから、やっと自分が幸せだと感じることに集中できるようになりました。
-なるほど…。今のりょかちさんが幸せだと感じるときって、どんなときなんですか?
りょかち:えー、どんなときだろう…
まず、「自分がこうしたい」っていうことがわかっているときかな。「お金持ちになりたい」「タワマンに住みたい」みたいなことって、他人からどう思われたいかみたいな承認欲求が動機だったりすると思うんです。でも、他人がどうこうより、まず「自分はこうありたい」がわかっていることが大事だなって。
-承認されることよりも、自分がどうありたいか。
りょかち:はい。あと、わたしは何事もやってみないとわからないタイプなので、いつでも思いついたことをやってみれる状態が幸せかな。お金にも時間にも余裕がある、身軽な状態というか。
たとえばわたし、5月から叔母が住んでいるカナダに滞在するつもりなんです。そういう行動も、「行ってみたい!」と思ったらすぐ行けるような状態だと、幸せだなって思いますね。
「履歴書の空白をつくった方がいい」とは言わない
-もしりょかちさんが新卒に戻ったら、「勝ち組のエレベーター」に乗りますか?
りょかち:それは、乗ると思います。他人や会社から求められることを一生懸命やった経験は、とてもよかったなって。それに、エレベーターに乗ったからこそ、「こんな景色が見える」けど「これは自分に合ってない」ということがわかる。最初からフリーランスで好きに働いていたら、自分に合っていないものが何なのかわからなかったと思うんです。
これまでを振り返ると、自分が思い通りにならなかったことから学んでることが多いんですよね。もともと出版社に入りたかったけど全部落ちて、結局IT企業に入ったからこそ、サービスづくりやマーケティングのおもしろさを知ることができたので。
だから、キャリアのなかで自分が想定してなかったことをやってみる時期も必要かなっていう気はしてます。
-最初から履歴書の空白をつくるのはすすめないと?
りょかち:そうですね。わたしは他の人に「履歴書の空白をつくった方がいいよ!」っていうことは、言わないようにしてます。他人に言われてやるのではなく、「履歴書の空白をつくったほうがいい」と自分自身が感じてこそ、やる価値がある。
それに万人に勧められるものではない現状でもありますよね。実際、キャリアを中断するには勇気が必要です。私も今フリーランスで働いていて、どこかの企業に再転職したわけでもないし、誰もが「履歴書の空白」があっても楽しくやっていけるって、無責任には言えないと思います。
-現状、みんなが安心して「履歴書の空白」を選びとれる環境にはなっていないと。
りょかち:そうなんですよね。そういう現状を変えるために、仕組みづくりが必要だなって思います。今って、転職とか就職の最初のフローで履歴書提出が求められることが多いじゃないですか。そしたらどうしても、履歴書しか接点がないから、履歴書だけでその人を判断されてしまう。
そこに空白があったら、「この人大丈夫かな?」って思われるのも、効率を優先する仕組み上、起こってしまうことではありますよね。だから、そういう仕組み自体を変えないといけないなって。
-その人にとってはその空白がとても意味のあるものだったとしても、履歴書という書類だけではそれは見えてこないですもんね。
りょかち:はい。そうした仕組みを変えるためにわたしができることは、わたし自身が「履歴書の空白」をいかした生き方の事例をつくっていくことだと思ってます。わたしの生き方に触れて、経営者や採用担当者が「履歴書の空白がある人って、おもしろいな」って思ってくれたら、仕組みも変わっていくと思うんですよね。
だからこそ、「履歴書の空白」をつくったわたし自身が、「こう生きたい」って感じた生き方をちゃんと実現していきたいな、って思っているんです。